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Strong NFP Halths Equity Bounce

米国雇用統計(NFP)の結果に反して、株価回復基調は一時停滞する事となり、加えて利上げに対する懸念に拍車を掛ける事となりました。

月曜日のアジア株式市場は、米雇用統計が予想の25万人の2倍以上となる52万8000人となった事で下落したものの、米ドルは底堅く推移しました。

このアジア株式市場での下落は、米国の景気後退の兆候を示すものではなく、過去数十年で最も高い物価上昇(インフレ)を抑制する為に、米連邦準備制度理事会(FRB)が更に大幅な利上げを実施するだろうという懸念を強めた結果となります。

その為、3週連続の弱気相場・安値圏から反発し始めていた世界中の株式市場ですが、一時株高が停滞する事となり、本日月曜日の米国株式先物は乱高下となりました。

又、中国のビーチリゾート海南島三亜市で発生した、コロナウィルスに伴うロックダウンも市場心理を悪化させ、香港での検疫義務の解除も、それほど市場へポジティブな影響を与える事は出来ませんでした。

一方、欧州の株式市場は、金曜日に予想を上回る米雇用統計の発表を受けて下落したものの、全般的に良好な企業業績を背景に高値で取引されました。

この堅調な米国での雇用統計結果により、米連邦準備制度理事会(FRB)が世界最大の経済大国であり今後の国際経済を牽引して行くとされる米国に打撃となる急激な利上げを伴う積極的金融政策に転じる可能性への期待感は薄れる結果となりました。

米国雇用統計(NFP)が発表された事で、CPIと英国GDPが投資家の注目を集める

予想を上回る米国雇用統計(NFP)の発表後、投資家は水曜日に発表される7月の米消費者物価指数に注目しています。

エコノミストは、年間インフレ率が6月の9.1%から8.7%に低下し、過去40年間で最も高い上昇率になると予想しています。

また、イングランド銀行が2022年後半に景気後退が長引くと警告しているため、6月の英国GDPの発表も注視される事となります。

米国債券カーブの反転は、今後の景気後退懸念を示唆

米国雇用統計が好調だった事により、投資家は米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に75ベーシスポイントの利上げを行う可能性を70%以上とし、国債利回りと米ドルは上昇となりました。

このため、2年物国債の利回りは金曜日に上昇し、国債カーブはさらに反転しました。

米国債カーブの主要部分は、過去22年間で最も反転した状態に近く、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締めを続けているため、投資家達は今後の景気後退懸念を示唆しています。

サンフランシスコ連銀のメアリー・デイリー総裁は、物価上昇を抑える為の、米連邦準備制度理事会(FRB)の試みは「まだ終わっていない。」と述べ、米国当局者はさらなる利上げが予想される事を示唆しました。

一方、ミシェル・ボウマン総裁は、インフレ率が大幅に低下するまで、米中央銀行は先月の75ベーシスポイントの引き上げに近い大幅な利上げを検討し続けるべきだと述べました。

原油は緩やかに上昇

本日月曜日、原油価格は上昇しましたが、景気後退懸念が需要の見通しに悪影響を及ぼすことが懸念されるため、数カ月ぶりの安値水準に留まりました。

世界最大の原油輸入国である中国は、最新のデータによると、緩やかな回復が見られ、7月の1日あたりの輸入量は増加しましたが、前年同月比では9.5%減に留まっています。

一方、米下院議長のナンシー・ペロシ氏が台湾を訪問し、米中両国は台湾をめぐり緊張状態が続いており、中国軍は台湾の近くで新たな演習を行う事を発表しました。

今週の注目事項:

月曜日
イラン核合意交渉

水曜日
米国CPIデータ
中国CPI
中国PPI
シカゴ連銀総裁講演
ミネアポリス連銀総裁講演

木曜日
米国PPI
米新規失業保険申請件数

金曜日
ユーロ圏鉱工業生産
英6月GDP
米ミシガン大学消費者心理