国内総生産(GDP)とは何ですか?
国内総生産(GDP)とは、一定期間(通常は1年間)に国内で生産され財とサービスの価値の総額を意味します。GDPはその国の経済生産高を示す指標であり、その国の経済の健全性を示す最も重要な指標のひとつと考えられています。GDPは、民間および公的消費、投資、政府支出、純輸出(輸出から輸入を差し引いたもの)をすべて加算して算出されます。国内で生産された財とサービスの総価値を測定することで、GDPは国の経済活動状況を包括的に把握することができます。
GDPの歴史
サイモン・クズネッツは1930年代に国内総生産(GDP)の概念を導入し、一国の経済生産高を測る尺度としました。国連は1940年代に、一国の経済活動の標準的な尺度としてGDPを採用しました。その後、GDPの概念は改良・拡大され、今日でも一国の経済活動を測る尺度として最も広く使われている指標です。
国内総生産の3つのタイプ
名目GDPは、現在の市場価格で生産された財とサービスの価値を測定します。
実質GDPは名目GDPをインフレで調整し、生活水準の変化をより正確に測定します。
一人当たりのGDPは、人口の変化を考慮して一人当たりのGDPを示します。
GDPの種類の計算方法
名目GDPは、特定の期間(通常は四半期または1年)にその国で生産されたすべての財とサービスの市場価値の合計となります。
計算式は以下の通りです:
名目GDP=(生産された財・サービスの数量 x 財・サービスの価格)の合計
注:使用される価格は現在の市場価格であるべきで、異なる期間の価格であってはなりません。
実質GDPは、名目GDPをインフレで調整したもので、経済の生産高をより正確に表しています。
実質GDPの計算式は以下の通りです:”
実質GDP = (名目GDP ÷ GDPデフレーター) x 100
GDPデフレーターは、経済内のすべての財とサービスの価格を示す指標です。計算式は以下の通りです:
GDPデフレーター = (名目GDP ÷ 実質GDP) x 100
つまり、実質GDPは名目GDPをGDPデフレーターで割り、100を掛けて計算します。これにより、財やサービスの価格変動を考慮した恒常価格での生産高が算出されます。
一人当たりGDPは、人口を考慮したその国の経済生産高を測定し、一人当たりの平均経済生産高を知ることができます。一人当たりGDPの計算式は以下の通りです:
一人当たりGDP = 実質GDP ÷ 人口
実質GDPはインフレ調整後のGDPで、人口はその国に住む人の数となります。この計算により、その国の一人一人の平均所得や生活水準が推定されます。
GDPの計算式は?
GDP(国内総生産)とは、ある期間(通常は1年または四半期)に国内で生産されたすべての財とサービスの総額を示します。GDPの計算式は以下の通りです:
GDP = C + I + G + (X – M)
C = 個人消費
I = 企業による投資
G = 政府支出
X = 財・サービスの輸出
M = 財・サービスの輸入
つまり、GDPは消費、投資、政府支出、純輸出(輸出から輸入を差し引いたもの)のすべての支出の合計です。GDPは、ある経済における経済活動の総量を測る指標です。
GDPの主な計算式、及び計算方法は以下の2つとなります:
支出アプローチ:
消費(C)、投資(I)、政府支出(G)、純輸出(X-M)の総支出を合計してGDPを算出します。
所得アプローチ:
このアプローチは、雇用者報酬、営業総余剰、混合総所得を含む、経済における財とサービスの生産によって生み出された総所得を合計してGDPを算出します。
どちらの計算方法も、一国の経済生産高の合計という同じ指標を測定することを目的としていますが、異なる視点からのアプローチにより算出されます。
支出アプローチでは、経済のさまざまな構成要素においてどれだけ支出されたかを見るのに対し、所得アプローチでは、さまざまな生産要素によってどれだけの稼ぎがあったかに注視します。どちらの方法でも結果は同じとなるはずです。
GDPが最も高い国は?
世界で最もGDPが大きいのは米国と中国です。
但し、GDPの計算方法によって順位は変わることもあり、2022年時点の名目GDPは23兆ドルで、米国は17.7兆ドルの中国をリードしています。