エネルギー危機が深刻化している事に加え、物価の高騰(インフレ)や各国当局の金融引き締め政策が、すでに強いストレス下にある世界経済へ更なる圧力となっている為、本日月曜日、欧州株式先物は下落し、ユーロ並びにポンドも下落しました。
同時に、商品通貨も下落する中、米ドルは堅調に推移しました。
原油価格は、OPEC+の原油供給に関する会議が開催される事から上昇し、
現物国債並びに米国株は、本日月曜日は祝日のため休場となっています。
欧州のエネルギー危機
ロシアがウクライナへの侵攻を続ける中、七カ国首脳会議がロシアの原油に価格上限を設定することを決定した後、ロシアのガスプロムのガス供給パイプラインは、タービンの油漏れを理由に無期限で停止したままとなっています。
天然ガスの供給が停止されれば、天然ガス価格は高騰し、ヨーロッパでは冬の間エネルギーが不足する恐れがあります。
価格上昇は、ユーロ圏の国々で2桁に達しようとしている記録的な物価高騰(インフレ)を悪化させるのみで、エネルギー危機は、欧州中央銀行への圧力ともなっています。
欧州中央銀行は木曜日に2回目の利上げを行うことにより、経済状況が更に悪化する前に金融引き締め政策を打ち出すと見られます。
アジア市場
本日月曜日、中国での新型コロナウィルス感染症の再拡大に伴う都市ロックダウンを懸念して、中国と香港の株式は急落しました。
北京は新型コロナの再発生を抑制するために、成都市における都市ロックダウンを延長し、さらに大量の感染検査を命じました。
この措置は中国のゼロコロナ政策の一環となり、このような政府の方針転換は、今年の中国経済にも悪影響を及ぼしています。
同時に、米国の米民間非農業部門雇用者数 (NFP) 統計が予想を上回り、米連邦準備制度理事会 (FRB)が更なる利上げに踏み切る可能性が出てきたことから、アジア市場は下落しました。
ユーロは99セント以下を記録
ユーロは、アジア時間の取引中に0.9880ドルまで下落し、約20年ぶりに99セントを下回る価格を記録しました。
この下落は、ロシアが欧州へのガス供給を無期限停止し、エネルギー不足、物価高騰、並びに経済成長への打撃が懸念されたことが要因となります。
米ドルは20年ぶりの高値を記録
一方、ドル指数は110.25まで上昇し、20年ぶりの高値を更新しました。
米ドルは、ユーロを含む6つの通貨バスケットに対して算定されます。
英ポンドは、エネルギーコストの高騰が懸念され、対米ドルで下落となりました。
英国では、リズ・トラス氏が首相に就任する見込みとなり、二桁のインフレ率の中、減税によって景気を押し上げるという彼女の計画は、すでに投資家の懸念材料となっています。
OPEC+の会議が予定されているため、原油価格が上昇
本日月曜日、原油価格は上昇し、投資家が本日行われる予定の次回OPEC+会議を注視しているため、更に上げ幅を拡大しました。
石油輸出国機構(OPEC)とその同盟国が、価格を下支えするために生産を現状維持または削減すると期待されています。
今週の注目事項:
月曜日
英国首相発表
OPEC+の供給に関する会議
火曜日
オーストラリア金利決定
水曜日
財務省委員会にてイングランド銀行総裁
米連邦準備制度理事会(FRB)ベージュブック
クリーブランド連銀総裁講演
木曜日
欧州中央銀行金利決定
米連邦準備制度理事会(FRB)議長講演
オーストラリア準備銀行総裁講演
金曜日
中国PPI
中国総資金供給量
中国マネーサプライ
中国人民元建て新規融資
EUエネルギー大臣会議