先週、中国が暗号通貨関連の取引や活動を犯罪と宣言したというニュースにより、市場のほとんどのデジタル資産がメルトダウンしました。しかし、週末にはほとんどの暗号資産が損失を回復しました。本稿執筆時点では、ビットコインは44,000ドル前後で取引されています。
ユーロと米国ドル
ドルは先週、損失を記録しました。イングランド銀行は11月に利上げを開始すると発表し、ブルームバーグによると、投資家が米連邦準備制度理事会(FRB)よりも英国当局に信頼を置く原因となりました。
パウエルFRB議長は、テーパリングが「すぐに」行われると発表し、開始の可能性として11月を挙げました。しかし、ブルームバーグによると、投資家はFRBのコメントよりも中国で発生している危機を懸念しているとのことです。これにより、ドル安が進む可能性があります。
一方、ドルの主要通貨であるユーロは、ドイツの選挙結果を待って堅調に推移しました。欧州連合(EU)最大の経済大国のひとつであるドイツでは、昨日、連邦議会選挙が行われました。メルケル前首相が16年の任期を終えて引退したため、投票結果によると、ドイツ議会は社会民主党(SPD)が僅差で過半数を占めることになりそうです。
原油と貴金属. ブレントは2018年以来の高値を記録
商品市場では、供給不足やエネルギー危機が噂される中、原油が上昇しています。ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は1バレル75ドルを超えて上昇し、その対抗馬であるブレント・クルードは2018年10月以来の高値を付けました。英国での供給危機の噂が、北海原油の価格を押し上げたようです。EIA米国原油在庫量の変化は、今週水曜日に発表される予定です。投資家はこの商品をウォッチリストに入れていると思われます。
金は0.1%増、銀は0.3%増となりました。一方、パラジウムは0.3%上昇したものの、3週連続の下落に向かいました。プラチナも1.1%の下落となりました。
今週の注目点
今週行われるいくつかのイベントは、資産価格に影響を与える可能性があるため、トレーダーのウォッチリストに入っていることが予想されます。ドイツの選挙結果と火曜日のクリスティーヌ・ラガルド欧州中央銀行総裁の講演は、ユーロの価格に影響を与える可能性があります。
日本円は、日本の国会における新しいリーダーの選出によって影響を受ける可能性があります。金曜日には、短観大企業製造業景気指数と短観大企業非製造業景気指数の発表が予定されています。
今週の経済ハイライト
- 月曜日
- 米国コア耐久財受注(前月比)
- 米国耐久財受注(前月比)
- イギリス全国住宅価格指数(HPI)前年比・前月比
- ウィリアムズ米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバースピーチ
火曜日
- 日本銀行金融政策決定会合議事録
- オーストラリア 小売売上高(前月比)
- GfK ドイツ消費者物価指数
- コンファレンスボード米国消費者信頼感指数
- 香港貿易収支
- スウェーデン商品貿易収支
水曜日
- アメリカ住宅販売保留件数(前月比)
- 米EIA 原油在庫量変化
- ドイツ 10年債入札
- スペイン 消費者物価指数(HICP) (前年比) / スペイン 消費者物価指数(CPI) (前月比)
木曜日
- 日本 小売売上高(前月比) / 日銀黒田総裁講演
- 中国 製造業購買担当者景気指数(PMI)
- 中国 非製造業購買担当者景気指数(PMI)
- 中国総合購買担当者指数(PMI)
- イギリス国内総生産(GDP)(前年比)
- 米国国内総生産(GDP)(前期比)
金曜日
- 日銀短観・大企業製造業景気指数(TMI)
- 日銀短観・大企業非製造業景気指数
- カナダ国内総生産(GDP) (前月比)
- ISM米国製造業購買担当者景気指数(PMI)